第45話 日産のロボット導入は業界でもトップだった

仕事に詰まると、また車体工場へ行った。
イランイラク戦争の影響で、計画の見直しが続いていた。組合との調整も、思うように進まない日があった。数字を追いかけながら、何かを見失いそうになる瞬間があった。
そういう時、足が自然にあちらへ向いた。
溶接ロボットは、今日も動いていた。
アームが伸びる。火花が散る。次の場所へ移る。昨日と同じ動きだった。明日も同じ動きをするだろう。戦争が起きても、計画が変わっても、組合が騒いでも、ロボットには関係なかった。
ただ、目の前の仕事をやり続けていた。
私は車体工場の隅まで歩いた。ロボットのアームが届かない狭い場所にも入り込んだ。どの角度から見ても、動きに無駄がなかった。迷いがなかった。与えられた仕事の意味を問わなかった。
それが羨ましいとは思わなかった。
だが、その純粋さに、何度も救われた。
あの青白い光の前に立つと、頭の中が整理された。数字の向こうに人間がいることも、売るために作るという原則も、工場と営業の間で自分が何をすべきかも、少し見えてくる気がした。
ロボットは何も教えてくれなかった。
それでも私は、あの場所で多くのことを学んだ。
village工場での日々は、そうして過ぎていった。巨大な組織の小さな一点に立ちながら、世界の動きが数字になって流れ込んでくる場所で、私は少しずつ、仕事というものの輪郭を掴んでいった。
後に、ロボットが世界を変えると言われる時代が来る。あの村山の車体工場で、火花の光を眺めていた若者が、そのことを知るのはまだずっと先のことだった。

(つづく)R080423


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【無料】牧正人史式 姓名科学 解析システム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
#牧正人史 #マシレ予測 #姓名科学